焙煎度

焙煎度は正確にそして簡単に数値化し提示する事が可能です

皆さんはA店で中煎りと言われて購入した焙煎豆が、B店で中深煎りとして売ってる焙煎豆と同じ焙煎度(色)で「あれっ!?どっちの店の言ってる事が正しい?間違ってる?」と疑問に思ったり感じた事は有りませんか?

また「中煎りって正確には一体どれぐらいの焙煎度の事を差すの?」と疑問を持った事は有りませんか?

お店によって同じ位の焙煎度(色)なのに「中煎り」として売って居たり「中深煎り」として売ってたり、また「シティ」だっり「フルシティ」だったり、各店舗で同じ焙煎度(色)でも違う名称で好き勝手にバラバラに売られていて「何を信じたら良いの?」とか「何を基準にしたら良いの?」とか「自分が好きな焙煎度が見つけられないし決められない!」と困惑したり迷ったりする事と成り。

結局A店から「中煎り」と言われて買ったらそれを「中煎りと思うしかない」と仕方なく受け入れ、別の日にはA店と同じ焙煎度(色)なのにB店から「中煎深り」と言われて納得できないけど仕方なく受け入れ、そんな事を繰り返すしかない。

実は私もそんな経験をして、店が提示している焙煎度の定義と基準を疑問に思い納得できなかった一人です。

本来コーヒーの焙煎度はSCAA(アメリカスペシャリティコーヒー協会)のアグトロンスケール(Agtron Scale)数値で明確に正確に規定されています。

なのでカフェ司として販売する豆には、、、

ロースターの責任とお客様への誠意の証として、アグトロン値を明記する事にしました。

カフェ司としてのアグトロン値の定義は下記の通りとします。

71.0~80.9=ミディアム=浅煎り
61.0~70.9=ハイ=中浅煎り
51.0~60.9=シティ=中煎り
41.0~50.9=フルシティ=中深煎り
31.0~40.9=フレンチ=深煎り
21.0~30.9=イタリアン=超深煎り

下記各焙煎度の概要です

※浅煎り・ミディアム/Medium roast(苦味☆・酸味★★★★★・甘味★)

スペシャリティーコーヒーの味わいの最も際立った特徴である鮮やかな酸味を穏やかな甘味と共に味わえる焙煎度、各生豆の味わいの個性を確かめて飲み比べたい時にも最適です。

※中浅煎り・ハイ/High roast(苦味★・酸味★★★★・甘味★★)

爽やかな酸味と福与かな甘味をフルティー感として味わえる焙煎度、ペシャリティーコーヒーをコーヒーらしさの若干の優しい苦味と香りを感じながら味わいたい時に向いています。

※中煎り・シティ/City roast(苦味★★・酸味★★★・甘味★★★)

豊かな酸味と甘味と優しい苦さと香りのフレーバーの全てをバランスよく楽しめる焙煎度、苦過ぎない喉越し爽やかなコーヒーとして気軽に楽しめます。

※中深煎り・フルシティ/FullCity roast(苦味★★★・酸味★★・甘味★★)

豊かな苦味と香りと優しい酸味と甘味のフレーバーの全てを若干の苦味に寄せたコーヒーらしさとして楽しめる焙煎度、控え目なお砂糖やミルクで飲みたい時にも向いています。

※深煎り・フレンチ/French roast(苦味★★★★・酸味★・甘味★)

濃厚な苦味と深いコクをビター感として味わう焙煎度、たっぷりのお砂糖やミルクで飲みたい時やエスプレッソやアイスコーヒーにも最適です。

※超深煎り・イタリアン/Italian roast(苦味★★★★★・酸味☆・甘味☆)

際立つ苦さを深いディープ感として最も楽しめる焙煎度、たっぷりの牛乳や豆乳と割って味わいたい時、苦めのエスプレッソやアイスコーヒー時、アイスクリームやスイーツのコーヒーシロップ用素材としても最適です。

※なお2021年9月より販売時のAS数値運用の設定運用基準を下記の通り変更しました

2021年9月以前はカフェ司 / Café 2kasaの独自規定として

通販焙煎豆では

※例) フルシティの場合で説明
43.0~48.9までを「正値」として販売
48.9~45.9までを「正値浅煎り(-)」とし不適値として不売
41.0~42.9までを「正値深煎り(+)」とし不適値として不売

と自主規定していましたが

お客様から境界値前後の(-)と(+)の数値範囲の焙煎度も購入したいというお声を頂きましたので規制を外して販売させて頂く事にしました

実際には各焙煎度の狭間の境界値の焙煎度でも美味しいですし、焙煎豆の販売をしていますとお客様から「FullCityじゃちょっと苦味が立ち過ぎる」けど「Cityroastじゃ酸味が少し煩い」ので「FullとCityの間位が飲んでみたい」というご要望も少なからず頂く事が有りますので、各焙煎度のアグトロン数値のど真ん中のニュートラル値に囚われずにやや浅目や深めや境界値付近もコーヒーの楽しみの一つとしてお客様に販売させて頂く事としました

ただし、アグトロン数値は数値として明記しますので、ご購入された豆の焙煎度はASスケールとして明確に正確に確認して頂けます

※またアグトロン数値と共に焙煎日も明記して販売します。

上記をカフェ司 / Café 2kasaの独自規定としロースターとしての自己規約として公約し厳守する事を提言させて頂きます。

※アグトロンスケール器具はとても繊細な計測の必要性が有り、計器の正確性を維持するためのメンテナンスとして時々製造元へ送付しての調整時期が有りますので、その時期での販売時にはASスケールが手元に無く、代わりに過去の焙煎豆のアグトロン数値を記した実物サンプル焙煎豆で色味を目視で計測しますのでその場合は厳密に言いますとASで1~2程度の誤差が生じる事も御座います事をご了承下さいませ。

多分ですが、、、

国内では「焙煎日」と「アグトロン値」の両方を明記するのはカフェ司が初宣言かな?と思います。

何時の日か「今だと信じられないけど以前は焙煎日とアグトロン値を明記せずに焙煎豆を販売していたんだよ」と昔話のその時に、、、

国内で最初に焙煎度をアグトロン値で明記し、焙煎日と共に明記して通販を始めた店名として「カフェ司」の店名が上がったら誉れで御座います。

司へのお問合せ
(焙煎豆・コーヒー・ライブ・髪)
055-228-0533
owner@2kasa.jp

※カフェ司 / Café 2kasa通販ショップ<< https://2kasa.raku-uru.jp/ >>自家焙煎豆ネット通販中です、1,600円以上のご購入で送料無料サービスと成ります、ご興味ご機会ございましたらぜひご利用下さいませ

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カフェ司の焙煎覚書メモ

覚書メモはあくまで司自身の為の&カフェ司での焙煎環境でのメモですので、使用豆種・焙煎機種・ガス圧・ダンパー能力・排気取り回し経路・求めるフレーバー等によって解釈・最適解は無限の変化が必要と成りますのと、まだまだ未熟者故の至らぬ解釈も含む事をご理解ご了承頂き、寛大なお心でお読み頂ければと願います

※暖機or冷却(Warm up or down)
豆を投入して焙煎を始める前に焙煎機を起動、加熱して暖め
連続焙煎時には豆を投入する前に温まっている焙煎器の温度を下げる

最初の1バッチ目は焙煎器が全く蓄熱していないので生豆投入後の温度上昇率が低く、逆に連続焙煎時は既に焙煎器が温まっているので温度上昇率が高く成り、その初回バッチと連続バッチでの生豆の温度上昇率の差を無くし、生豆投入後の温度上昇率を等しく保ち、初回バッチと連続バッチでの焙煎の再現性を高く確保出来るよう調整

※生豆投入(Charge)
生豆の投入する時の焙煎機内温度は
豆種・豆量・気温・湿度・中点での設定温度等より調整

※中点(Bottom)
生豆投入後に、窯温度が下がり切って上昇に向かう境界温度

質感を重く、酸味を穏やかに求める場合は中点を低めに
質感を軽く、酸味を積極的に求める場合は中点を高めに

※比較的低温中点のGW(George Howell)式
中点を105℃前後以下に調整

中点を低温に抑え、生豆の外皮の早急な角質化を防ぎ序盤の脱水を円滑にし、脱水縮合反応を促進する事でコーヒーらしく良質な苦みの元とされるクロロゲン酸ラクトン類を豊かに生じさせ、しっかりとした質感と優しい酸味と成る事で豊かな甘みのフレーバー展開を促す

※比較的高温中点のPS(Paul Songer)式
中点を105℃前後以上に調整

中点を高める事で、豆表表面の粒子化による凝結を促進し繊維が崩落し難く成り、マウスフィールが向上し、質感は軽く初期の火力が高いので酸の形成が早まり華やかな酸味のフレーバー展開を促す

※水抜き・蒸らし(Drying Phase)
中点以降ゴールド(Gold Point、蒸気が落ち着き、生臭さが消える地点)までの焙煎序盤工程

前半はダンパーを絞り気味にして含水量が多い状態でガラス転移点温度を低くし、ゴム化を早い段階から促進し、味わいに悪影響を及ぼし得る生豆に含まれているタンパク質等と結合して簡単に蒸発する事ができない「結合水」を、早期にゴム化する事でより繊維を緩ませ豆内部の水分の蒸発を促す

※ゴールドポイント(Gold Point)
ドライフェーズとメイラードフェーズの中間点で豆が色づき黄金色に変わるポイント

この変色地点への到達が早過ぎると脱水不良によるネガティブな生豆感を払拭し難く
逆に長過ぎるとフレーバーの前駆体制分を失い易く成るので求めるフレーバーにより調整

※メイラードフェーズ(Maillard Phase)
水抜き終了後のゴールドポイントから1ハゼまでのメイラード反応が活発に行われる工程

この時期豆はゴム化現象が起き香味やそれを元とする甘み成分が発達し
このポイントで火力を上げると甘みや強い香りを得られ易く
逆に火力を控えると優しく穏かな味わいを得られ易く成る

※1ハゼ(1stCrack)
メイラードフェーズ以降一定以上の熱を与えると豆がガラス化し硬くなり
豆内部に溜まった水蒸気やガスが逃げ場を失って内圧が上がり膨張し
内部から破裂する事で1ハゼの「パチパチ」という1度目の破裂音が発生

※2ハゼ(2ndCrack)
1ハゼが終わり、深煎りの焙煎度に差し掛かる頃に「ピチピチ」と2度目のハゼが起きる

1ハゼ後に二酸化炭素などの燃焼ガスの発生が急増し煙色が変わり
このガスが内部の隙間に閉じ込められて逃げ場を失い
中煎り後期から中深煎り初期の焙煎度で内圧が限界を超え「ピチピチ」という2度目の破裂音が発生

※デベロップメントフェーズ(Development Phase)
1ハゼ以降の煎り止め(焙煎終了)までの工程

※謝辞、焙煎覚書メモは、、、

コーヒー情報サイト『Coffee Swamp』 https://aikacoffee.jp/
管理人のピーパパさんが書かれた「【コーヒー焙煎】基本用語と工程の解説」を
参考・引用させて頂いた上で司自身の焙煎経験・考察を重ねて書いております
(ピーパパさんには参考・引用のご了承を頂いております、感謝です)