焙煎覚書メモ240429

カフェ司の焙煎覚書メモです

覚書メモはあくまで司自身の為の&カフェ司での焙煎環境でのメモですので、使用豆種・焙煎機種・ガス圧・ダンパー能力・排気取り回し経路・求めるフレーバー等によって解釈・最適解は無限の変化が必要と成りますのと、まだまだ未熟者故の至らぬ解釈も含む事をご理解ご了承頂き、寛大なお心でお読み頂ければと願います

※暖機or冷却(Warm up or down)
豆を投入して焙煎を始める前に焙煎機を起動、加熱して暖め
連続焙煎時には豆を投入する前に温まっている焙煎器の温度を下げる

最初の1バッチ目は焙煎器が全く蓄熱していないので生豆投入後の温度上昇率が低く、逆に連続焙煎時は既に焙煎器が温まっているので温度上昇率が高く成り、その初回バッチと連続バッチでの生豆の温度上昇率の差を無くし、生豆投入後の温度上昇率を等しく保ち、初回バッチと連続バッチでの焙煎の再現性を高く確保出来るよう調整

※生豆投入(Charge)
生豆の投入する時の焙煎機内温度は
豆種・豆量・気温・湿度・中点での設定温度等より調整

※中点(Bottom)
生豆投入後に、窯温度が下がり切って上昇に向かう境界温度

質感を重く、酸味を穏やかに求める場合は中点を低めに
質感を軽く、酸味を積極的に求める場合は中点を高めに

※比較的低温中点のGW(George Howell)式
中点を105℃前後以下に調整

中点を低温に抑え、生豆の外皮の早急な角質化を防ぎ序盤の脱水を円滑にし、脱水縮合反応を促進する事でコーヒーらしく良質な苦みの元とされるクロロゲン酸ラクトン類を豊かに生じさせ、しっかりとした質感と優しい酸味と成る事で豊かな甘みのフレーバー展開を促す

※比較的高温中点のPS(Paul Songer)式
中点を105℃前後以上に調整

中点を高める事で、豆表表面の粒子化による凝結を促進し繊維が崩落し難く成り、マウスフィールが向上し、質感は軽く初期の火力が高いので酸の形成が早まり華やかな酸味のフレーバー展開を促す

※水抜き・蒸らし(Drying Phase)
中点以降ゴールド(Gold Point、蒸気が落ち着き、生臭さが消える地点)までの焙煎序盤工程

前半はダンパーを絞り気味にして含水量が多い状態でガラス転移点温度を低くし、ゴム化を早い段階から促進し、味わいに悪影響を及ぼし得る生豆に含まれているタンパク質等と結合して簡単に蒸発する事ができない「結合水」を、早期にゴム化する事でより繊維を緩ませ豆内部の水分の蒸発を促す

※ゴールドポイント(Gold Point)
ドライフェーズとメイラードフェーズの中間点で豆が色づき黄金色に変わるポイント

この変色地点への到達が早過ぎると脱水不良によるネガティブな生豆感を払拭し難く
逆に長過ぎるとフレーバーの前駆体制分を失い易く成るので求めるフレーバーにより調整

※メイラードフェーズ(Maillard Phase)
水抜き終了後のゴールドポイントから1ハゼまでのメイラード反応が活発に行われる工程

この時期豆はゴム化現象が起き香味やそれを元とする甘み成分が発達し
このポイントで火力を上げると甘みや強い香りを得られ易く
逆に火力を控えると優しく穏かな味わいを得られ易く成る

※1ハゼ(1stCrack)
メイラードフェーズ以降一定以上の熱を与えると豆がガラス化し硬くなり
豆内部に溜まった水蒸気やガスが逃げ場を失って内圧が上がり膨張し
内部から破裂する事で1ハゼの「パチパチ」という1度目の破裂音が発生

※2ハゼ(2ndCrack)
1ハゼが終わり、深煎りの焙煎度に差し掛かる頃に「ピチピチ」と2度目のハゼが起きる

1ハゼ後に二酸化炭素などの燃焼ガスの発生が急増し煙色が変わり
このガスが内部の隙間に閉じ込められて逃げ場を失い
中煎り後期から中深煎り初期の焙煎度で内圧が限界を超え「ピチピチ」という2度目の破裂音が発生

※デベロップメントフェーズ(Development Phase)
1ハゼ以降の煎り止め(焙煎終了)までの工程

※謝辞、焙煎覚書メモは、、、

コーヒー情報サイト『Coffee Swamp』 https://aikacoffee.jp/
管理人のピーパパさんが書かれた「【コーヒー焙煎】基本用語と工程の解説」を
参考・引用させて頂いた上で司自身の焙煎経験・考察を重ねて書いております
(ピーパパさんには参考・引用のご了承を頂いております、感謝です)