AS値は要素の一つに過ぎず

この生豆は、、、

エチオピア・モカ・シダモ州グジ地区シャキッソ村TadeGG農園(ナチュラル・オーガニック・ノンカフェイン)です

同じエチオピア・モカ・シダモ州グジ地区シャキッソ村TadeGG農園(ナチュラル・オーガニック)の生豆と並べると

同じマイクロロットのTadeGG農園生産の生豆なのにノンカフェイン豆の方が色が濃いと言うか暗いです

焙煎豆の焙煎度の定義は、、、

SCAA(アメリカスペシャリティコーヒー協会)のアグトロンスケール(Agtron Scale)数値で明確に規定されています

なのでカフェ司 / Café 2kasaではアグトロン計測器で焙煎の都度焙煎度を計測して、その計測値に添ったロースト名を掲示して販売しています

例えば、ハイロースト/Highroastならアグトロン数値でAS61~70と成ります

この結果は数値で厳格に定められていますので、数値結果に従って焙煎度を標記する事が求められ、それがロースターの実務として正しく必要で真っ当な務めと成ります

ただし、、、

ノンカフェイン処理されたデカフェ豆については、その原理原則を外して良いと司は考えます

何故なら、、、

このエチオピアの同じTadeGG農園生産の生豆で、ノンカフェイン処理された方は、全く焙煎せずに生豆のそのままの状態で

何と!

アグトロン計測すると生豆なのにAS70前後という数値に成ります!

AS70って事はHighroastの最浅目値です(汗)

つまり、焙煎していないのに既にHighroast焙煎度色!(爆)

上記の事柄を考慮して、さてこの写真の焙煎豆の焙煎度はどの位?

焙煎前の生豆の状態で既にHighroast色をしている場合だと、豆の内部に通常のHighroastのメイラード反応の熱変化を込めたら、仕上り色は当然通常のHighroastより色味が濃く暗く成ります

ですのでノンカフェイン処理された豆の焙煎時の焙煎度判定は、豆表面のアグトロン数値ではなく、熱の込め方の総量という内部のメイラード反応具合によって判別するべきと考えます

その見極めは、、、

焙煎時の熱ベクトル(時間・温度・変化率)と、1ハゼのタイミング・経過時間と、香りの変化と、焙煎前と焙煎後での豆重量変化率と、焙煎豆の煎り上がりの姿形色艶等々で、それまでの焙煎の経験則からの推測で見極める事に成ります

でも、、、

何度か焙煎して試飲して実焙煎度と豆表皮の色付きとの関係を、通常の生豆での焙煎結果と相対的に推測し導き出せる定数を確定できれ、ばアグトロン計測器での計測結果から、例えばAS値で10点とか13点をプラス加点という定数で置き換えて判別する事は可能です

ただし、、、

色変動の定数は一定ではなく、焙煎が浅いほど定数値は高く成り、焙煎が深いほど定数値は低く成ります

何故なら、、、

生豆の状態で既にHighroast程に色が濃く暗くいのですから、Mediumroastに煎り上げても仕上り色はほぼCityroastまで落ちますが、その差異は深煎りで色が濃く暗いFrenchやItalianではほぼ誤差範囲の影響しか無いと思われます

ですから、、、

浅煎りなほど定数率は高く成り、深煎りにすれば変化率は下がります

この焙煎度によってどんな定数を当てるのか?という部分は、今後何度も色んな焙煎度に実際に焙煎し、実焙煎度と表皮アグトロン値の差異を数値化しデータ取得して平均値化し定数化して頭の中に刻みたいと思います

技術者の技って、本来はこういう本当に地味で時間のかかる検証を何度も積み重ねるという見えない苦労と努力で、薄皮を1枚ずつ重ねるようにして身に付けます

また、そういう遠回りは誰かに教えてもらえないゼロスタート故の避けられない労苦でも有りますが、それは同時に全てを自分で検証して立証して理解していくという贅沢な時間を過ごせるという事にも成ります♪p(^o^)q

髪もPAも写真も、焙煎や淹れと同じく、自己流=ゼロスタートで楽しく探求してきました、これからも創意工夫と推理実証を喜びを持って追求して行きたいと思っている今日この頃の司でございます♪(^o^)v